あの時まで、僕らの愛するメンバー達が如何に無防備だったのか、
そんな青天の霹靂の出来事だった。
悲劇の落とし穴は思いもしない所にぽっかりと口を開けて潜んでいた。
自身の不遇を他人にぶつけるという卑劣な犯行は断じて許す事は出来ない。
川栄さんはあの笑顔の裏に心の傷を抱え、それでも夢に向かって去っていく。
入山さんは未だに手にプロテクターを着けている。
あの時までこんな未来を想像できなかっただろう。
犯人の狂った刃が二人の未来を狂わせた。
私たちも心を痛めたし、大なり小なり迷惑を被った。
この国はみんなの善意を前提に出来ていた。
周りの人に迷惑をかけちゃいけない。
そんな美徳がこの国を輝かせていた。
アメリカでテロがあった。
世界中の空港が厳しい警備体制となった。
握手会で襲撃事件があった。
握手会や劇場の厳しい警備が始まった。
世の中はどんどん悪意を前提にした社会になった。
無防備で良い筈は無い。
無防備でも大丈夫だった時代はもう過去の話だ。
たった一人の狂気がみんなの大事な物を傷つけた。
身を挺して守ってくれたバイトの人は元気になっているのだろうか?
僕らに元気を届けてくれるメンバー達は心の傷を負ってはいないだろうか?
支えたい。
守りたい。
大好きなこのグループをずっと応援していたい。
何が出来るかわからない。
あの日、絶望と悲しみで未来が見えなかったけれど
今もこうして次の時代へ向かって進んでいる。
「前しか向かねえ」とガムシャラに
「僕たちは戦わない」と悲しみを断ち切る姿勢で
未来の為に支えて行きたい。